瞑想(めいそう)とは、心と体を健全な状態に保つためのスキル(技術)と言える。瞑想をおこなうと頭に浮かんでくる雑念を、客観的に見られるようになり、ストレス、人間関係、感情に振り回されることがなく自分に必要なもの、不要なもの、感情を整理できるようになる。自分を受け入れることで、日々の暮らしをより豊かにシンプルに過ごせるようになるといわれている。
ひと昔前までは、お寺で正座して無の状態を保つための修行のようなイメージがあり、一般的にはハードルが高く難しいイメージもあった。現在では、ヨガでも瞑想のクラスがあったり、初心者向けにお寺での瞑想体験ができたり、準備に必要なモノはなく、自分の身体だけでできるので、自宅で始める人が増えてきている。世界中でも瞑想を実践している人たちが、5億人はいると言われている。
科学者たちによる瞑想についての研究結果
ハーバード大学出身のリチャード・デビッドソン博士、スタンフォード大学のロバート・サポルスキー教授は2003年にチベット仏教の指導者ダライ・ラマとの対話のなかで、瞑想による効果について、免疫力を強め、鬱(うつ)状態の再発を防ぎ、ストレスに関連するホルモンの分泌量を抑えることを実験結果は示したと述べている。ほかにもリチャード・デビッドソン博士の研究では、瞑想を14年間続けたチベット仏教僧と同年齢の一般人の脳をMRIで比べたところ、チベット仏教僧の脳年齢が、8歳若いという研究結果も発表されている。また、世界の医療機関には、実際に治療法として瞑想を活用しているところも見られる。
参照:www.richardjdavidson.com
en.wikipedia.org
www.wired.com
瞑想の種類
瞑想には種類があり、ヴィパッサナー瞑想、サマタ瞑想、マインドフルネス瞑想などほかにも数多くの瞑想法がある。はじめるきっかけとしては、動画やアプリなどで紹介されている、マインドフルネス瞑想がはじめやすい瞑想法のひとつだ。
瞑想の方法
まずは、1日5分の瞑想を習慣化していくこと。1日5分で変化が期待できるのかと言われれば、1日5分を毎日続けていくことで変化は感じられる。大切なことは瞑想を習慣化することにある。
【調身(ちょうしん)】
姿勢 (背筋を伸ばす) を整えてリラックスして座る
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座る(あぐらでも正座でも椅子に座ってもOK)
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肩の力を抜いてリラックス
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手のひらを太ももの上に軽く添える
(手のひらは上向き、下向きどちらでもいい)
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軽く目を閉じるか半眼の状態にする
(半眼の場合、前方の下のほうを、1点集中してぼんやりと見る)
【調息(ちょうそく)】
呼吸を整える (大きく1度深呼吸)
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鼻から息を吸って、鼻から息を吐く
(最初は鼻から息を吐くのが難しい場合、口から吐いてもいい)
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息を吸った秒数の倍くらいの長さで息を吐く(無理はしない程度に)
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呼吸に意識を向けても雑念や思考が浮かんでくる
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最初は気付くだけでOK、できれば客観的に雑念・思考を
とらえて手放す(意識を内側に向ける)
↓
呼吸は続けたまま
【調心(ちょうしん)】
心を整える
↓
呼吸に意識を向けていく
(意識をいま、この瞬間に意識を向ける)
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雑念や思考が浮かんできても手放す
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呼吸に意識を戻す
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呼吸と一緒にお腹の膨らみや凹みを観察する。
↓
「調身」・「調息」・「調心」を繰り返しおこなう。
調身・調息・調心の3要素がマインドフルネス瞑想の簡単な瞑想方法になる。
瞑想の効果
瞑想(めいそう)そのものの感覚は、キャンプの時、焚き火をぼーッと見ている時に、心が落ち着いていく感じとよく似ている。瞑想の効果については、ストレス軽減、集中力の向上、不眠症の解消、うつ病の緩和、リラックス効果と、続けていくことでいろいろな恩恵・利点があると言われる。まずは毎日1分~5分の瞑想時間をつくり、自分にどんな効果があるのか試してみよう。
最近では、瞑想をはじめることをサポートしてくれるアプリや、音楽、動画などがあるので、自分のお気に入りを見つけて、瞑想というスキルを身につけていく時間を、生活のなかに取り入れたい。ただ、瞑想をおこなうことにも、その人に合ったもの、そうではない人にわかれ、リスク(副作用)も必ずでてくるので次回は瞑想のリスクについても触れておきたい。