オーストラリアの先住民アボリジニにとってティートゥリーは、神聖な木だった。
ティートゥリーとは
ティートゥリー(フトモモ科 属名:メラレウカ)は、オーストラリア原産の亜熱帯地域(東海岸のゴールドコーストなど年間通して温度変化が少ない地域)の湿地帯に生息する植物。
オーストラリアの先住民族アボリジニは何千年も前からこの木の葉をすりつぶし薬草、薬として伝統的に使ってきたと言われている。現在でも、オーストラリアではかゆみ止め、擦り傷の消毒など一般的に使われているようだ。
ティートゥリーによる効果と精油、香り
実際にティートゥリーオイル、バーム状のものを使ってみると吹き出物、ニキビ、擦り傷などにいままで使っていたものよりも効果があった。化学物質が含まれているより、自然由来の成分が多いほうが安心だ。また、ティートゥリーは抗ウィルス、抗菌作用ももっていると言われているので、今の時期、精油をうすめてマスクに1,2滴垂らし、マスクの清潔を保つこともできそうだ。
パッチテストなどをして問題がなく肌にあえば、効果が実感できると思う。肌にあわない場合は控えたほうがいいだろう。精油は、ティ―ツリーの葉を水蒸気蒸留することでエッセンシャルオイル(精油)になる。香りはそんなにきつくもなくほんのり木の香りも感じられるすっきりした香りだ。
Made in Australia
ティートゥリーが自生する地域に、ゴールドコーストから南下(車で約90分)した地域にエインズワース湖という湖がある。湖の色が茶色く、木の根(ティートゥリーのほかに同じフトモモ科のニアウリなど)から出たエキスが湖に溶けこみ、紅茶のように茶色く染まっている場所である。※写真はイメージ
地元では、ティートゥリー湖とも呼ばれている。季節によっては、湖に入って水浴びをして、全身に木のエキスを感じることもできる。観光サイトの口コミではリフレッシュできたなどコメントが多く寄せられている。
オーストラリアの先住民族アボリジニについて
アボリジニをイメージしたとき茶色や土色のイメージが浮かんでくる。
アボリジニ(Aborigine)は、5万年以上前にアフリカからアジアに渡り、その後オーストラリア北部へ定住したと言われており、人類最古の民族ではないかと言われている。また、アボリジニのことを「最初の」という意味でファースト・ピープルズ(First Peoples)とも呼ばれている。
アボリジニといってもさまざまな部族があり、それぞれに異なる言語(およそ200種類以上)と習慣を持っていたようだ。言語は多様にあるものの太古の昔は、文字の読み書きをすることはなく、絵を書いてコミュニケーションをとっていたという。そこからあの独特なアボリジニのアート(アボリジナル・アート)が世界に広まったのだろうと想像できる。
あと、イメージとして浮かんでくるのは、アボリジニの人たちが筒状の長い木を口にあてて吹く様子だ。あれはユーカリの木をくり抜いて作られる「ディジュリドゥ」という楽器で、動物の鳴き声などを表現したり、アボリジニの儀式、踊りなどで使われているようだ。
最近の話では、コミュニケーションの方法として、アボリジニの人々にはテレパシー的な能力があり、コミュニケーションをとっていたという話も耳にする。トンデモ話に聞こえるけれど、ありえなくもない気がする…
アボリジニにとっての土地との結びつき、そしてウルル
アボリジニの人々にとって「土地」はすべてを意味し、神聖なものだと言われている。先祖達が歩いた土地、先祖達のDNAを感じられる土地、それは人、家族との結びつき、つながりをとても大切にしているということ。
南オーストラリアのノーザン・テリトリーにある世界遺産「ウルル」(エアーズ・ロック) は、彼らにとってまさに神聖な土地であり、聖地のひとつだ。そこでは、現在もアボリジニ達の儀式が引き継がれていて、「ウルル」(Uluru)にまつわる神話も数々残されている。なかでも、アボリジニにとって大切な教えである、ドリーム・タイムがある。
ドリーム・タイム(Dream time)とは
ドリーム・タイムは、太古の昔に起きた天地創造の神話(過去、現在、未来が出会うひとつの世界)が、今のこの瞬間も続いているという記憶。そしてその世界にわたしたちは生きている。
それをアボリジニの次世代へ継承するため、顔や体にペインティングを施し、歌や踊り、神聖な儀式を行って次世代へ語り継がれていく。文字に残さず、語り継ぐことでその精神的な教えはアボリジニ達だけのなかで守られていく。それは、自然との対話であり、人類がこれから生きていくことへのヒントを教えてくれているのかもしれない。
人類のこれから
近年、テスラやスペースX社の創設者として知られるイーロン・マスクは、自ら創設したニューラリンク (Neuralink) という企業で、人間の脳に人工知能を埋め込む技術を開発している。成功すれば人間はチップを脳に埋め込み、技術のひとつとしてテレパシーをも持てるようになると言われている。ここ日本でもムーンショット目標という計画が内閣府より発表されている。
ただもしかすると、古代の人類は、自然とのつながりのなかで、テレパシーのようなものを本能として持っていたのかもしれない。それは、古代では誰しも持っていたもので、人類が進化(膨大な情報、科学、技術革新など)していけばいくほど、失われていった可能性があるのではないか。それはもしかすると進化ではなく、後退していっているのでは?とふと思った。
現代において、アボリジニ(Aborigine)の人たちから教わることがある気がする。
参照:neuralink.com
www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/sub1.html
空想の旅の最後に
コロナの影響で海外渡航の入国制限がかかったり、海外への旅行を控えているいま、アボリジニが神聖な木として大切にしてきたティートゥリー、きっとアボリジニの人々も狩猟を終え、ティートゥリー湖などの湖で水浴びなどをして、湖に癒やされ、語り合いの場としていたのではないかと妄想を膨らませながら、ディフューザーにティートゥリーを数滴入れて、今日は休もうと思う。