アルゼンチン南部にある山、フィッツ・ロイ山をロゴにしているアウトドアメーカーのパタゴニア。その創業者であるイヴォン・シュイナードは1970年頃、独学で製造したピトンやチョック (ロッククライミングで使用する道具) などのクライミングギアを販売した。そのギアは登山仲間の間で話題となったが、クライミングの人気が高まるにつれ、鉄製だったピトンは岩を傷つけ、自然を壊していることを知り、人気だったギアの製造・販売を中止した。
それから、1972年に岩を傷つけないクライミングギア=クリーンクライミングを生み出した。それは、現在のパタゴニアの経営方針と変わらない自然環境を壊さない商品開発を、創業前からすでに行っていたということになる。そして、1973年にカリフォルニアの小さな町ベンチュラにパタゴニアは設立された。
パタゴニアが成功を収めてからも、イヴォン・シュイナードはかわらず、パタゴニアの衣類は古いモノ(20年前のものを愛用)を着て、車は古い車を運転する。新しいものを持つことはめったにないという。彼のライフスタイルは、パタゴニアショップに立ち寄った際に、目にしたカタログに「べし・べからず集」という記事が載っていて、それと重なる部分が垣間見えた。
クラブメッド(リゾート施設)>>ではなく>>小さな田舎宿、キャンピングカー>>ではなく>>フォルクスワーゲン。そのことだけをとっても創業者とパタゴニアが同じ考え、方向性を持っていることがわかる。
環境に対する姿勢
自然をこよなく愛すイヴォン・シュイナードは、地球環境における問題に積極的に取り組めていないのは、企業でも政府でもなく私たち自身に問題があるという。安価なもの、使い捨てできるものを求め、企業に対して促しているのは消費者の私たちであると。また、最近よく耳にするサステナビリティについても、次のようにいっている。
「サステナビリティなどというものは存在しない。私たちができる最善のことは、被害を最小限に抑えること」
-イヴォン・シュイナード-
theguardian.comより引用
イヴォン・シュイナードの言葉
イヴォン・シュイナードとパタゴニアには、創業当初から現在まで一貫して変わることのない理念が感じとれる。これまでの消費されていく社会構造から見るとパタゴニアは、とても特異な企業だ。彼らの言葉・行動は、現在から未来へ向けてほんとうに必要とされることを示してくれているように思う。
イヴォン・シュイナードが述べている言葉を心に留めておきたい。
「真に信じられることのひとつはシンプリシティ、人生はつねに複雑な方向ではなく、よりシンプルな方向へと向かうべきだ」
-イヴォン・シュイナード-
patagonia.jpの公式ブログより引用