古くは日本書紀 (奈良時代) にも記述があるといわれている甘酒。昔は神様へお供えをする神聖な飲み物とされていた。いまでもお正月に神社やお寺などに行くと、参拝客に甘酒が振る舞われる様子を見かける。世界でも日本のスーパーフードとして紹介され、ビーガンやダイエットなどでも注目される栄養価の高い飲み物とされている。※スーパーフードとは、アメリカ・カナダ発祥で健康を維持していくために必要な有効成分が突出して高い食品のことをいう。日本の発酵食品では「味噌」「納豆」「麹」そして「甘酒」などが代表的なものとされている。
甘酒に使われる麹
麹 (コウジ) とは米、麦、大豆など穀物を蒸したものに麹菌を加え、繁殖させたもの。
※麹菌とはコウジをつくる糸状菌の総称でカビの一種。
麹には代表的なものに3つの種類があり、それぞれ麹菌を生やして発酵させて作られている。
米麹・・・味噌、日本酒、甘酒など
麦麹・・・麦味噌、麦焼酎など
豆麹・・・豆味噌(八丁味噌)など
麹 (コウジ) は、食品・調味料(味噌、醤油、みりんなど)の原料にも使われていて、「コウジ」という言葉には同じ意味をもつ2つの漢字がある。
麹・・・中国から伝わった漢字
糀・・・日本で作られた国字
日本の国字「糀」は米に花が咲くようにカビが生える様子を表した文字で、日本人のお米に対しての思いが字に表われている。
2種類ある甘酒
甘酒には2種類あり、酒粕で作ったものと米麹で作ったものがある。
酒粕で作ったもの・・・酒粕と水、砂糖を加えてアルコール(1%未満)が含まれたもの
米麹で作ったもの・・・米麹と米を発酵させ、砂糖を使わず発酵成分により甘みを出すもの。ノンアルコール。
甘酒に含まれる栄養成分・効果について
【主な栄養成分】
・ビタミンB群 (B1、B2、B6、ビオチン、葉酸)
・パントテン酸
・アミノ酸 (グルタミン、システインなど)
・ブドウ糖
・食物繊維
・オリゴ糖
【主な効果】
・美肌効果 (ビタミンB群)
・腸内環境の改善 (オリゴ糖、食物繊維)
・栄養素の代謝・吸収をサポート (ビタミンB群、パントテン酸)
・疲労の回復効果 (ビタミンB群、パントテン酸)
含まれている成分が点滴と似ていることから「飲む点滴」とも言われている。
甘酒を飲み続けて実感したこと
年間通して風邪をひかなくなった
食事改善としていろいろな食品を試しているので、甘酒が効いている!とは言い切れないけれど、少なくとも甘酒 (米麹のほう) を年間通して、就寝前に毎日1杯は飲んでいる(本当は朝に飲むのが良いようだ)。これは効果かなと思える実感として、1年間風邪を一回も引かなくなった。ちょっと調子が悪いなぁとなっても、次の日にはひどくならずに治まっている。あくまで個人的な見解になるが、甘酒のおかげかなぁと思う。
美肌効果・疲労回復?!
甘酒の栄養成分から美肌効果・疲労回復に効果がある。甘酒に含まれるビタミンB群は肌の活性化、代謝をサポートしてくれて、保湿、ハリなどに効果があるようだ。また、ブドウ糖、アミノ酸の含有量が高いことから、疲労回復の効果も高いと言われている。
腸内環境の改善・便秘改善?!
実際に、1年程前から甘酒を飲むようになり、1年前の体重と今では10kgくらいは減量ができている。それが甘酒の効果だったかと言われると、その効果だけではないとは思うけれど、毎日、飲み続けたことは確かなので、なにかしらの効果は出ている気がする。甘酒にはオリゴ糖や食物繊維も豊富に含まれている。体に良い影響を与えてくれる善玉菌のエサとなる成分、オリゴ糖が含まれているので、腸内環境が改善され、便秘改善、ダイエット効果にもいい影響が出ているのかもしれない。
甘酒をシンプルに味わう
甘酒には加工品や風味付け、アレンジされたものがあるが、まずはそのままシンプルに飲むのが一番美味しいと思う。市販品を購入するのもいいし、ヨーグルトメーカー (ほかには魔法瓶、炊飯器でも作れる)を使って手作りしてみるのもいい。毎日、飲み続けることで自分のカラダには良い反応が出てきている。栄養価の高い酒粕で作った甘酒のほうも、砂糖をはちみつに変えたりして、試してみたい。日本を代表するスーパーフード「甘酒」を今後も続けて味わいたい。